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佐藤正尚 南礀中題

7月28日までの10日間

あっという間に、10日たってしまった。

4連休の最初の2日は家具の搬入と模様替えをした。本棚を新しく作っているときに五輪の開会式をやっていて、ネットで中継されているノーナレのをみていた。コンセプトのなさ、ミーム化しているゲーム音楽、往年の野球選手、段取りがうまくいっていない雰囲気がするテンポなどいろいろ実物ではあった。小林賢太郎が一部演出していたというが、リークなどを参照するとほぼ全体に彼のアイディアが取り上げられていたのだろう。社内で開会式の話をする人がいて、「いろいろあったけど、あれだけできたのだからよかったと思う」といっていた。世の中では、悲しいことにそういう認識なのだろう。私は世界大会をちゃんと放送すれば五輪はまったく不要と考えている人なので、ただただ空しい。

24日土曜日渡仏する友人と久しぶりに会食。2年ぶりにあったが、元気そうだった。近況報告や新著のよもやま話。井の頭公園を散策し話すなどした。新宿で続き。ゴールデン街はわりと禁酒自粛に反しているようだった。電車がなかったのでタクシーで帰る。夏バテで体調が悪かったのか、帰り道で嘔吐してしまった。翌日掃除した。

25日は「やっとな会」で狂言を鑑賞した。野村万作がまだ現役で動き回りいい声をだしていることに驚愕した。野村万斉は本物をみると本当に顔がよくそのうえ舞で見事に体を統制していて、とにかく驚いた。また、素囃子「神舞」も聞けてよかった。音とりのタイミングがほとんどわからないのに素早い楽器さばきでみごとに調和していた。

家に帰って直木賞『テスカポリトカ』を読む。もともと純文学作家だったらしい。丸山ゴンザレスが最近ではよく紹介している世界観(実際、知り合いなのだそうだ)で、読み物としては面白かった。作品として水準が高い。ただし、最後の崩壊の過程がシステムではなく、人間どうしのエゴイズムがきっかけというのが個人的に読者に安心感を与えているようだった。個人の信仰の問題に焦点化することで、あら筋を焦点化して、物語を閉じる速度をあげることができる。犯罪はシステムで、そのシステムが結局維持されている結末に賛否がわかれるだろう。私の方といえば、とにかくすべてが崩壊していくほうが面白そうだったのだが、難しいと思われる。

26日から27日にかけて夏バテで何もできず。

28日は、ピアサポート会に参加した後、家人がなにとなくサマーウォーズを鑑賞しだしたので片付けがてら見ていると、あまりにもそばかすのなんとやらと似ていて、しかもこちらのほうが話のスケール大きかった。カット割も見事なところが多い。最近のものよりも脚本がまだ確かだった。家人の友人も中から混じって同時鑑賞し、細かいところいろいろ気になったが、最近のは本当にひどかったなと再認。友人らと深夜まで歓談。仕事に疲弊しているのでいいリフレッシュになった。