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米原将磨

遠アーベル幾何学とスピノザ

数論や圏論のアマチュアが論文の読み方を辛うじて覚えたまま、遠アーベル幾何学に基づいたIUTの論証をなぞった時の衝撃。「私が知らないだけで、これはきっと何かの論証の過程なのだろう」と思っていたことが、アルゴリズム的な操作の厳密な定義で、証明そのものがたったの数行で終わっているのだ!

私たちは、このことを別の形でよく知っている。それはスピノザの『エチカ』と全く同じやり口だからだ。スピノザがアルゴリズムを解いているという観点を私はこのようにして手に入れた。よくある対比もここで補足しておくと、ライプニッツはアルゴリズムそのものについて思考した。スピノザはアルゴリズムそのものをやってのけた。なんとも美しい二人だ。