弓指寛治のマジック・マンチュリア展に行く。
一周目で既に感銘を受けたが、二度目は運良く本人の解説があってそれを聞きながらもう一周した。
松下哲也はシラスのどこかで弓指寛治をして現代の歴史画家と評していたが、まさしく今回は歴史画の展覧会だった。
祖父が満蒙開拓青少年義勇軍で満州にいき、引き揚げの一人だったことを知った弓指の「マジック・マンチュリア」は『エヴァンゲリオン』のように十数年かけて完結するらしい(本人談)。戦争末期に満州に行き、線路を敷き、奇術を覚えて帰った男の孫。展覧会の傑作を飾る「鍬の戦士と鉄の巨人」の説得力はいや増して高まるというものだ。
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